事例紹介Case study

一般社団法人ものの芽
代表林 良重さん

林 良重さん

「ものの芽」の事業を教えてください。

待機児童の問題を背景に、内閣府が2016年度に創設した企業主導型保育事業に基づき、一般社団法人ものの芽は、『もののめ』という名称で保育園(0~2歳児)と病児保育施設を運営しています。私自身は保育士は未経験ながら、働く女性の子育てを応援したいとの想いから開所を達成しました。現在は、常勤と非常勤を合わせて20名の保育従事者が、企業にお勤めの保護者のお子さまを中心にお預かりしています。私は園の経営と現場の管理(園長)を兼務しています。

創業のいきさつを教えてください。

大手メーカーに在職中にCSR活動の事務局運営やボランティア団体と関わりを持つことで、自分も社会に貢献したいという気持ちが募りました。特に働くお母さんたちの子育てや待機児童は、自分の経験とも重なって強い問題意識をもち、定年後に何か支援活動をしたいと思っていました。会社の構造改革が行われたことをきっかけに、会社に留まるという選択ではなく、起業することを選び、前倒しで活動をスタートさせたという次第です。転職も考えましたが、起業の道を選びました。

どのような計画から始まりましたか?

保育も経営もしたことがないので、いろいろ調べて公益社団法人日本サードセクター経営者協会の「創業スクール」に参加し、「企業主導型保育事業」を知りました。これなら自分でもできそう、起業してみたい気持ちがさらに高まって、同協会の講師であったアドバイザーに資金など具体的に相談したところ、本制度をご紹介いただきました。

創業後どのような課題や悩みを持ちましたか?

開所時は5名の子どもしか集まらず、保育士の採用にもお金がかかりました。徐々に人数は増えましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で3か月の休業に追い込まれました。今は再開して17名まで子どもたちが戻ってきましたが、感染予防に気が抜けない状況です。

本事業の融資をどのように活用しましたか?

用途はほぼ設備資金として使いました。都内各所を探し回って今の練馬区に物件を見つけ、保育に見合う内装や設備工事、備品購入や家賃のほか、保育士の採用費用や給料などに使いました。

本事業からどのような支援を受けましたか?

アドバイザーの助言や支援は今も大きな支えになっています。起業から資金調達、運営までずっとお世話になっています。おかげで、時代のニーズに合っている事業計画だと、複数の金融機関からも評価され、必要資金を集めることができました。

本事業を利用してよかった点はどこですか?

金利が低いのはありがたいですね。東京厚生信用組合さんのような福祉事業で頼れる金融機関があることを知りませんでした。保育士の経験もない私の話しに耳を傾けてくれましたし、コロナ禍で休業したときも返済猶予など条件を変更していただきました。今年(2022年)からは返済ができています。

創業をしようとしている方へメッセージをお願いします。

まずは小さく始めればいいと思います。壁にぶつかることも多いですが、あきらめないこと。『もののめ』の運営で言えば、経営者と園長の二足のわらじはものすごい大変。しかし、現場目線を持ちながら経営を続けることで保育の質が高まり、経営の安定化につながるものと思います。

※令和2年度より、企業主導型保育事業を実施する場合の「保育事業者」の条件が変更されています(施設・事業を継続的に5年以上運営していることなど)。詳しくは、内閣府や一般社団法人全国企業主導型保育事業連合会のホームページをご覧ください。

事例一覧

Contact事業内容に関するお問い合わせ

NPO法人 コミュニティビジネスサポートセンター
03-5939-9503 03-5939-9503 受付期間:月~金 9:00~17:00
FAX:03-5939-9502
MAIL:tokyosupport@cb-s.net

本事業に関する
ご意見・ご要望はこちら